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ひでちゃんのこと。
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私が宇治の研修生を卒業するときに、ひでちゃんが色紙とノートに書いてくれた言葉。

「素晴らしい神の子 竹内芳実ちゃん
合掌ありがとうございます。
その天使のような笑顔と声があれば
どんなことがあっても大丈夫!!
ご家族といつまでも仲良く幸せで
ありますように」

「芳実ちゃん、あなたにはいつも癒しと元気をもらいました。
あなたは僕の天使です。本当にどうもありがとう。
だから、帰ってしまうのがものすごく寂しい。もっと一緒にいたい。
でもこれから輝ける未来が待ってるんだもんね。
淋しさこらえて心から応援し、幸せを祈っています。
今後もし、なにかつらいことがあってもひとりじゃないよ。
宇治で出会った仲間がついてるからね」

思えばひでちゃんは、決して自分の想いを私に押し付けることなく
私の幸せを祈ってくれていたのでした。
私は自分の思いでだれかを縛っていやしないか、
いつも彼の放たれた愛情を思い出しながら反省するのです。

ひでちゃんのほうが私にとって天使そのものです。
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ひでちゃんが亡くなってから3日目のことだったでしょうか。

たまたま、誰かが持ってきた結婚式の引き出物かなんかの
かわいらしい絵とか文字がプリントされた角砂糖がおいてありました。

いつもはコーヒー飲むときはブラックなのですが
なんとなくその角砂糖を2、3個入れてみました。

ぐるぐるかきまわして、飲もうとしたら
カップにふわりとハートマークが浮かびました。



あ ひでちゃんだ。



最初のサインでした。
ひでちゃんは病気になる前にバンドでヴォーカルをしていました。
わたしはその頃のひでちゃんは知りません。
でも彼のお母さんが彼がライブハウスで歌う姿が映ったDVDを下さいました。

その中にこんな歌がありました。


「I'm here」

風にのって 届いてるかな

この僕の想いは

ふわりふわりと ゆっくりでいい

君という大切な人へ



おたがい離れていても心は

通じ合っている

それはすごく難しいことで

だけど僕らならやってゆけるよ



あたらしい道へ旅立つ君へ

さみしい思いもあるけど

それ以上に心から見守っていたい



どうしようもなく君が

切なくなったその時にでも

僕はここにいるよ

うれしい時 悲しい時 つらい時

どんな時でも



君に渡したほんとの愛と

僕がもらったほんとの愛は

信じることと愛することの

ほんとの意味を教えてくれたね



泣きたい時は泣けばいいんだよ

君の涙さえも

僕がすべて受け止めるから

どうかこらえることはしないで



悩みなんて枯らしてしまえ

君の涙と一緒にすべて

今日という日をため息で

染めないでよ 明日が泣くから



幸せなんて見えやしないし

感じられない 決して触れない

だってそれは誰のでもなく

君の心が決めるものだから



共に支え合いながら

信じ合いながら

ゆっくりと 肩を寄せ合い

手をつないで これからもずっと



風にのせて 届けにゆくよ

この素直な想いを

ふわりふわりと ゆっくりでいい

君という大切な人へ

昔の日記が出てきて、ぱらぱらと見ていたら
びっくりするようなことが書いてあった。

5年前に書いたことなんだけど、すっかり忘れていた。


わたしのなかに、わたしの事が大好きな男の子がいて、
いつもいつも見守ってくれている。
いつもわたしに「愛してるよ」と言ってくれている。
このわたしのなかにいる男の子は、だれなんだろう。


こんなことを書いていた。
これを書いた時はほんとにわたしのなかにもう一人だれかいるって感覚が
ぬけなくて、それがなぜだか男の子だって気がして不思議でしょうがなかったのだ。
こんなこと人に言ってもしょうがないので、ひっそり日記にだけ書き付けておいたのだった。


この男の子はひでちゃんだったんだ。
ある時わたしの中からすっと出てきて、生身の人間として私を愛してくれて、
そしてまた、わたしの中へ帰っていったのだ。

最初からずっと一緒だったんだね。
ひでちゃんに最後に会ったのは病院でした。

急に連絡がとれなくなったと思ったら、病状が悪化し入院したということでした。
私はどうしても会いたくて入院先の病院へお見舞いに行きました。
東京には友人が住んでいたので泊めてもらうことにして。

ひでちゃんは思ったより元気な様子でした。
ただ薬の副作用で顔が腫れ、一瞬だれか分かりませんでした。
すぐにひでちゃんだと認識できなかった自分が情けなくなりました。

本当はこんな姿では会いたくなかったんだろうな・・

でもひでちゃんは相変わらず優しく、愛おしそうに私を見つめ、髪を撫でました。
その日はあまりしゃべりませんでした。
ただずっと手をつないでいるだけでした。

病院の屋上は自由に上がれて、ベンチに座ってゆっくりできるようになっていました。
病院の屋上からはディズニーランドが見えました。

まだ一緒に行ったことがなかったので私は

「退院したらディズニーランド行こう」

と言いました。

ひでちゃんは

「うん、退院したらね」

と言いました。

ひでちゃんのベッドからは海が見えてとても病院とは思えませんでした。

あっという間に面会時間が過ぎてしまい、私は友人の家に戻らなければなりませんでした。
病院の出口まで送ってくれたひでちゃんが突然に今までにないくらい強く私を抱き締めました。
私はものすごく切なくなり、嫌な予感がしました。


私を泊めてくれた友人はようこちゃんといって、お花屋さんで働いていました。
ようこちゃんはその日仕事だったので私はもう愛知に帰るつもりでした。

そうしたらようこちゃんが

「もう一度病院行ってきたら?」

と言いました。

「お見舞いにはお花を持っていかないと」

私はそういえばひでちゃんに何のお見舞いの品を持っていかなったことに気づいて

「じゃあようこちゃんのとこでお花買って行く」

ともう一度病院へ行くことにしました。

ようこちゃんが見立ててくれたお花のアレンジメントを持って私は再び病院へ行きました。



その花はずっと彼の傍らにあったようでした。

彼のお母さんがちゃんとドライフラワーにして入院中の彼に渡してくれたそうです。

一度退院し、すぐまた再入院したときも持って行ってくれたそうです。

彼は私と最後に会った約4ヶ月後に亡くなりました。

あのお見舞いが最期でした。

私はずいぶんと後悔しました。

なんでもっと頻繁にお見舞いに行かなかったのだろうと。

お葬式の日、彼の顔のとなりにあのお花がありました。

その時私は彼がどれほど私を愛してくれていたかが分かりました。

きっと私のかわりにこの花はずっと彼のそばにいてくれていたのでしょう。

彼も花を見るたび私を想ってくれていたのでしょう。

私は花の力というものを初めて知りました。

なんて儚いのに強いのだろうと思いました。

そしてあの時ようこちゃんがもう一度私に花を持って病院へ行くようにすすめてくれたのは

本当に神様の導きだったと思うのでした。
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