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ひでちゃんのこと。
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教化部の職員研修は5月の11、12日の2日間行われて
私はてっきりもう翌日から働くのかと思っていたら、
「じゃあ6月からよろしくね」
と言われてしまって拍子抜けした。

なんだあ。あわてて帰ってこなくても良かったじゃん。
6月まで何したらいいんだ~

再び練成を受けることしか思い浮かばなかった。
あんなにみんなと別れを惜しんだのに、一週間もしないうちにまた宇治へ出かけた。
せっかくだから伝道練成まで受けよっと。
働きだしたらそうそう練成なんて受けれない。

宇治に着いてみんなに再会した。

ひでちゃんとはあの後何度かメールをしていたので行く事は伝えてあった。
私を見つけたとたんもの凄い勢いで走ってきて、
「こんなに早くまた会えるなんて・・」
とまた私には恥ずかしいセリフを放った。
でも私も会えてうれしかった。

あんまり突然に仕事が決まって心の準備ができていなかった私にとって
この練成を受ける事ができたのはとてもありがたいことだった。
たくさん祈ってもらって、本当に人を拝むってすごい。
実相を祈れる自分になりたいと心から思った。

伝道練成の最終日にひでちゃんとペアになって伝道をした。
ひでちゃん先導の招神歌は澄んでいてとてもいい声だった。
さすがヴォーカルをしてただけあるなあ。
思えばこの時が2人だけで一緒に聖経を読誦できた最初で最後の日だった。
この伝道は本当に楽しかった。

そうして本当に練成も終わって帰るとき、
ひでちゃんは
「5月末に検診でまた一時帰宅するから、そんとき名古屋に遊びに行ってもいい?」
と言ってきた。
私は6月まではヒマだったし、せっかくだから名古屋を案内してあげようと思って了解した。
なんだか楽しみだった。

5月25日にひでちゃんは9時半ごろ名古屋に着いた。
なんか名古屋で会ってることが不思議だった。

私は名古屋らしいもの、名古屋らしいもの・・とずっと考えた末
ひつまぶしだ!(笑)
と思ってひつまぶしの店に連れてったら
「おれ、うなぎダメだって言ってたじゃん」
って言われて
あ~そーいやそーだあ。忘れてた。ごめんごめん。
じゃあどうしようかあって考えて結局矢場とんに連れてった。
ひつまぶしがだめなら味噌カツしかない!
豚さんに少々罪悪感を感じつつ。

その時は最近の研修生の様子を聞かせてくれた。

ひでちゃんに、この矢場とんの豚の絵のTシャツ売ってるんだよー
って言ったら、せっかく名古屋まで来たから買うって言って
レジでたくさん色とかサイズとかひろげてもらってた。
確かさんざん迷ったあげく、赤色を買った。あれ?黒だっけ?

そのあとふたりで名古屋港水族館に行った。
水族館は久しぶりだった。
ゆっくりまわって、イルカショー見て、
イルカの大きな水槽の前で座ってずっとふたりでぼけっとしてた。
話もした。
私が絵描くの好きだとか、ひでちゃんがまたバンドやりたいなあ、とか。
やれるよ。やればいいじゃん。

けっこう長いことそこにいた。
私はどうしてこんなに落ち着くんだろうって思った。
こんなに長い時間男の子と一緒にいて、私、全然気つかってない。
すごく楽だ。
こういう人はじめてだなあ。

ひでちゃんは後から、あの時はすごくもどかしかったよ(笑)って言ってた。

水族館を出て、最近この近くにイタリア村ってのができたから行ってみた。
そこでちゃちなゴンドラに乗った。
すごく揺れた。
私はなんだか幸せな気分になってしまって、
今日時間過ぎるの早いなあって思った。

ゴンドラに乗った後、ぶらぶらとお店とかを見て回った。
ベネチアングラスとかきれいだった。
天使のおきものとか、オーナメントを売っているお店があって
私がじっと天使のおきもの見て、かわいいなあとか言ってたら、
ひでちゃんは唐突に
「でもおれの天使はここにいる」
って言った。

ひええええっと思った。
何言ってんの?!アンタ大丈夫?!
って言ったら、じょうだんじょうだんって言ってたけど
目はマジだった。
そんでまたあとから
「でもホントに天使だよね」
って言った。

もう笑うしかなかった。
なんて返したらいいか分からない。
そんなことがするりと言えるひでちゃんのほうこそ天使だと思う。

ピザを食べて、もう帰らないとねって名古屋駅に戻った。
新幹線の改札の前でひでちゃんは
「これから何があってもひとりじゃないからね。大丈夫だよ」
と言った。

そのとき思った。
離れるの嫌だ。
さみしいよ。
私はだまってしまった。

ひでちゃんはそんな私の頭をなでた。
もうそのときに私はひでちゃんが好きなんだあって、はっきり分かった。

急にしょんぼりした私を見てひでちゃんは
もう時間も遅かったのに
「もうちょっとだけ、お茶でも飲む?」と言ってくれた。
ひでちゃんは私が宇治を卒業したことを寂しがってると思ってるらしかった。

改札の近くのカフェでお茶を飲みながら、
私はひでちゃんの素直な表現がうれしかったとか、
なんかひでちゃんとこれから離れてしまうのは寂しいとか、
もっと一緒にいたかったとか、
そんなことをぽつり、ぽつり、話した。

そうしたらひでちゃんはしばらく黙っていたけど、
決心したみたいに私を見て、
「好きだよ。」
と言った。

でもそれは言わない事にしようと思ってた。
なんて言ったけど、あんなセリフたくさん言っといて
まる分かりだよ。
そうだよね。でもよしみちゃんを見ると言わずにはおれなかったんだよ。
って言った。

そうして
「つきあってくれるの?」
って言うから
「うん。」
って言った。

2人とも訳がわからない状態になっていて、
そのあとずっと黙ってた。
言葉が見つからなかった。
さっきとはまるで違う世界になっていた。

そしてカフェを出て、
はじめて手をつないで、歩いた。


          *          *          *

2007/3/11

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