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ひでちゃんのこと。
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 思うように会えず、彼の病状も分からず、ただただ彼の幸福を祈るばかりで、でも不安で苦しい時間を過ごしていた私は、思い切って宇治でとてもお世話になっていたかずこ先生に、今の状況と不安な思いを書いた相談の手紙を出しました。
 彼が亡くなる一カ月前に返事が届きました。

「合掌 ありがとうございます。
新年を新しい気持ちで感謝に満ちてお迎えになられたことでしょう。
お手紙ありがとうございました。喜古さんがあなたのところへ行かれる のはきいていました。さぞかし楽しかったことでしょうね。喜古さんも気持ちを飾らず、何でもお話出来る相手を得てどんなに幸せなことだったでしょう。

 小竹さんのこと、いろいろきかせて下さって有難うございました。清水さんにきいたり、藤井さんにきいたりと東京の人にきいていましたが、“どうしていらっしゃるのだろう?”という気持ちはいつもありました。

 練成会へこられて、個人指導をさせて頂いたご縁で、ずっとご縁を感じていました。“お元気になって欲しい”という想いも強くありましたので、宇治におられる間もよくことばをかけて体調のことなどをきいていました。

 あなたという生きる目標とよろこびに目覚められてからは、さらに明るくなられ、体調もすばらしくよくなられ、下山されるとき、私にきちんと竹内さんとのことを、本当にうれしそうに話して下さり

「こんな病気になったのも、竹内さんとめぐり逢う為、出会う為だったという気がする」

と言われ

「大切にして上げて下さい。愛する人の為に生きるとき、身体も健康になります」

と話して、祝福したことでした。よい出逢いをなさったとお二人のことを喜んでいました。

 竹内さんのこと、あなたはすばらしいと思いました。条件でいえば、決してよい相手ではなく、経済力もなく、社会的地位もなく、身体は病気が全快というわけではない相手を愛して、大切に交際していこうとなさっていることにです。

 現代の女性の殆どは、条件のよしあしで恋愛もはじまるということも多いのですが、あなたは条件的には(現象的な)そんなによくないというより、悪い条件の小竹さんを愛したのですから、小竹さんの人間的なすばらしさだけを観て愛し、ついていこうと思われ、それで幸せを感じていられたのですから・・すばらしいと感心していました。

 お母様と話し合ったり、相談したり・・それは本当によかったですね。
 体調の方と、あなたとの恋愛の方、その後の進展もどうぞお二人共が 幸せになられる方向に進みますように、ずっと祈っておりました。

 今、あなたにひんぱんに連絡をしてこられないのは、そんなに連絡をとる自信もないし、心に余裕がないのでしょう。余裕がないというよりあなたを幸せにする自信を失ってしまって、お別れした方があなたの為になるという気持ちではないでしょうか。或いは体調が思わしくないのかもしれません。あなたも私も今こそ、小竹さんの実相顕現を祈りましょう。

 あなたが悩んだり、苦しんだあげく、今は相手の幸福を祈るだけになり、相手に求めることをやめられたこと、大したことです。それこそ報いを求めない愛です。

 与える愛は失うものはないのですね。どうぞ途中で投げ出すことなく愛し続け、祈り続けて下さい。
 あなた自身が大きなものを得られます。
 私もこれからもいつも祈っております。

                         再拝  」

 どれほどこの手紙になぐさめられたかわかりません。
ひでちゃんがかずこ先生に伝えた言葉が、私の今の生きる原動力になっています。
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