ひでちゃんのこと。
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4月になって最初はメール便の発送の仕事。
何人か新しい研修生が加わって、机がぎゅうぎゅうだった。
やっぱりひでちゃんは私のとなりに座った。
私はちょっと恥ずかしかった。
机がせますぎだ。
ぺらの紙をくるくる回して取りやすくしてたら
なにそれ、どうやんの?聞いてまねした。
ゆび、黒くなるよって言ったら、あ、ほんとだって言った。
研修中にあったことは順番には覚えてない。
ただ私は毎日行をすることに必死で、これからどうなるのかどうしたいのか、
ずっと考えて祈る毎日だった。
恋愛するなんて発想はなかった。
宇治でぜんぶリセットしよう。
4月はずっとそんな気持ちでいた。
宇治にいると、彼は病気だからとかそんな風には全然思わなかったし、感じなかった。
もうふつうに当たり前に接していた。
あの時研修生はみんなほとんど精神的に病んでるか苦しんでいる人ばかりだったから、
むしろ彼は一番輝いていて、楽しそうだった。
私は少しうらやましかった。
ごはんのときは必ずと言っていいほどひでちゃんは私のとなりか、向かいの席に座った。
ひでちゃんが座るとほかの研修生もすぐにまわりに集まってきた。
よく妹のことをめちゃくちゃかわいいと褒めちぎっていた。
私はまた驚いた。
家族をこんなに素直に褒める人いるんだ。
私、できないな。
それができなくてここにいるのに。
彼はそういうのもう全部できてるんだ。いいなあ。
清水さんが、そういう風に言える人あんまりいないよねって言った。
うんいない。初めて見た。私はけなしてばかりいる。
私お母さんキライだし、妹もキライ、とは言えなかった。
* * *
宇治に桜が咲き始めていた。
すごくきれいで毎日がお花見だった。
幽斎殿に行くのが楽しみだった。
私はカウンターを買って毎日「ありがとうございます」唱行していた。
常になにかしてないと不安だった。
だからけっこう一人で行動していた。
幽斎殿に行くときは唱行がたくさんできる時間だった。
でもよくひでちゃんは私を見つけるとあの坂を走ってきた。
そしてすごくうれしそうに私に話しかけてきた。
それによく大拝殿の靴箱のところで遭遇した。
あまりに素直にうれしそうな顔をするもんだから私の方は逆に恥ずかしくなった。
そんなに私に会えてうれしいの?
でもなんか楽しかった。
ある日幽斎殿の神想観が20分で終わってしまって
次の聖経の時間までみんなであのしだれ桜を見ていた。
濃いピンクですごくきれいで、大好きだった。
私は桜の垂れ下がってる枝の内側に入ってみた。
やっぱりものすごくきれいだった。
幽斎殿の建物とぴったり合っていた。
気づくとひでちゃんに思いっきり見られてた。
そしてなんかしみじみと
「さくらが似合いますねえ」
と言った。
桜が似合うって初めて言われたなあ。
桜って感じじゃないと思うんだけどな私。
ひでちゃんはずっと見てた。
ひでちゃんは浄心行のとき必ず号泣していた。
何度やっても、研修生として誘導係をしていても必ず泣いた。
やっぱり私はひでちゃんがうらやましかった。
なんでそんなに泣けんの?
泣けないの?
うんぜんぜん。
どうして?俺すぐこみあげてきちゃうよ。
私やっぱり感謝できてないんだあ
いいなあ。
何人か新しい研修生が加わって、机がぎゅうぎゅうだった。
やっぱりひでちゃんは私のとなりに座った。
私はちょっと恥ずかしかった。
机がせますぎだ。
ぺらの紙をくるくる回して取りやすくしてたら
なにそれ、どうやんの?聞いてまねした。
ゆび、黒くなるよって言ったら、あ、ほんとだって言った。
研修中にあったことは順番には覚えてない。
ただ私は毎日行をすることに必死で、これからどうなるのかどうしたいのか、
ずっと考えて祈る毎日だった。
恋愛するなんて発想はなかった。
宇治でぜんぶリセットしよう。
4月はずっとそんな気持ちでいた。
宇治にいると、彼は病気だからとかそんな風には全然思わなかったし、感じなかった。
もうふつうに当たり前に接していた。
あの時研修生はみんなほとんど精神的に病んでるか苦しんでいる人ばかりだったから、
むしろ彼は一番輝いていて、楽しそうだった。
私は少しうらやましかった。
ごはんのときは必ずと言っていいほどひでちゃんは私のとなりか、向かいの席に座った。
ひでちゃんが座るとほかの研修生もすぐにまわりに集まってきた。
よく妹のことをめちゃくちゃかわいいと褒めちぎっていた。
私はまた驚いた。
家族をこんなに素直に褒める人いるんだ。
私、できないな。
それができなくてここにいるのに。
彼はそういうのもう全部できてるんだ。いいなあ。
清水さんが、そういう風に言える人あんまりいないよねって言った。
うんいない。初めて見た。私はけなしてばかりいる。
私お母さんキライだし、妹もキライ、とは言えなかった。
* * *
宇治に桜が咲き始めていた。
すごくきれいで毎日がお花見だった。
幽斎殿に行くのが楽しみだった。
私はカウンターを買って毎日「ありがとうございます」唱行していた。
常になにかしてないと不安だった。
だからけっこう一人で行動していた。
幽斎殿に行くときは唱行がたくさんできる時間だった。
でもよくひでちゃんは私を見つけるとあの坂を走ってきた。
そしてすごくうれしそうに私に話しかけてきた。
それによく大拝殿の靴箱のところで遭遇した。
あまりに素直にうれしそうな顔をするもんだから私の方は逆に恥ずかしくなった。
そんなに私に会えてうれしいの?
でもなんか楽しかった。
ある日幽斎殿の神想観が20分で終わってしまって
次の聖経の時間までみんなであのしだれ桜を見ていた。
濃いピンクですごくきれいで、大好きだった。
私は桜の垂れ下がってる枝の内側に入ってみた。
やっぱりものすごくきれいだった。
幽斎殿の建物とぴったり合っていた。
気づくとひでちゃんに思いっきり見られてた。
そしてなんかしみじみと
「さくらが似合いますねえ」
と言った。
桜が似合うって初めて言われたなあ。
桜って感じじゃないと思うんだけどな私。
ひでちゃんはずっと見てた。
ひでちゃんは浄心行のとき必ず号泣していた。
何度やっても、研修生として誘導係をしていても必ず泣いた。
やっぱり私はひでちゃんがうらやましかった。
なんでそんなに泣けんの?
泣けないの?
うんぜんぜん。
どうして?俺すぐこみあげてきちゃうよ。
私やっぱり感謝できてないんだあ
いいなあ。
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